広告業界のローカルルールとして、クライアント企業に対する「気遣い」が第一に挙げられます。
広告代理店はメーカーなどと異なり自社でモノ作りを行わないため、クライアント企業に対して「パートナー」という意識を強く持っているのです。
クライアントのブランド認知度を広げる、商品を購買層へ認知してもらうために広告戦略を考える時は、クライアントの意思こそが最も重要な立案の核になります。広告代理店はメディアとのパイプであり、広告立案のアイデアとクリエイティブが付加価値となりますが、営業担当者もクリエイティブも、自分の意向でクライントの意向を曲げることはできません。

また、一般的に企業は業績が伸び悩むと広告費を削るため、世の中の景気が悪くなると広告代理店は仕事の受注が難しくなります。
つまりクライアントの意向こそ、広告戦略の核であると同時に、パートナー側の「仕事の種」といっても過言ではないのです。そして、クライアントのイメージを向上させるだけでなく、既存のブランド価値を損なわないようにあらゆる努力を払います。

広告表現においてはクライアントの顧客だけでなく、競合他社からさえもクレームを入れられる隙を作らないよう細心の注意を払います。そのため、メディア側の瑕疵(テレビ番組の放送事故など)があれば、クライアントのCMを打ち切ることもあるのです。
毎年、就活生の志望業界としては上位にランクインすることもあり、華やかに見える広告業界ですが、実際はクライアントに対して常に謙虚であるのが業界の最大のローカルルールと言えるでしょう。